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ある業界紙より

ある業界紙(本当にペラ1の両面印刷の物)に以下の記事が載っていた(一部抜粋)。

これは元・下請負関係に関するものだが、発注者と元請に置き換えて考えると、発注者にも遵守してもらわなくてはならないと思える内容もある。

これを業者だけに押し付けるのはちょっとおかしいんじゃないかいとも思えるのだが・・・

このガイドラインを策定した当の国交省でさえ守ってないと思われる部分があるように思う。

 近年のコンプライアンスに対する社会的要請の高まりや談合問題等で低下した建設産業への信頼を回復するため、建設業者が法令遵守を徹底することが求められています。しかしながら、適切な施工能力を有しない、いわゆるペーパーカンパニーなどの不良・不適格業者の存在をはじめ、一括下請負、技術者の不専任、不適正な元請下請関係等の法令違反が依然として問題となっています。
 このような状況下、国土交通省は、法令の認識不足に起因する建設業法違反を根本から防ぎ、元請・下請業者間の適正な取引を実現するため「建設業法令遵守ガイドライン」を策定しました。

見積条件は具体的内容を提示
 最初に、請負契約締結の前段である見積りに関してです。元請負人が不明確な工事内容の提示等、曖昧な見積条件により下請負人に見積りを行わせた場合は、建設業法上違反となるおそれがあるとしています。
 建設業法第20 条第3 項は、下請契約を締結する前に、工事に関して、具体的内容を提示し、その後、下請負人が見積りをするために必要な一定の期間を設けることを義務付けています。
 元請負人が最低限明示すべき事項としては、①工事名称、②施工場所、③設計図書(数量等を含む)、④下請工事の責任施工範囲、⑤下請工事の工程及び全体工程、⑥見積条件及び他工種との関係部位、特殊部分に関する事項、⑦施工環境、施工制約に関する事項、⑧材料費等にかかる費用負担区に関する事項を挙げています。
 また、見積期間に関して、工事1 件の予定価格が500 万円以上5,000 万円未満の工事については10 日以上の見積期間を必要とするなど金額に応じて一定の見積期間を設けることを求めています。

③については、発注者によっては設計書に明細まで付いていない場合がある。

④について、責任施工範囲外の事までサービスでやらされる場合がある(これがけっこう多いのよ)。

⑤は、発注者の勝手な都合や、他工区や電気・ガス・電話会社等との連絡が不十分であったり、発注側の決定が遅かったりで全体工程が大きく変わる場合がある(これもけっこうある)。

⑦は最たるものだわね。まだ用地が決定していないのに見切り発車してしまうケースもある。そんな事設計図書には一言も書いてない場合が発注者によってはある。おかけで着工できなかったり、中止命令は出なくても中止させられたりして工期が延びたり、ひどい場合は請負金を減額してその場所は残してしまうという事例もある。

不当に低い請負代金の禁止
 次に請負代金の金額に関して、例えば、元請負人が、自らの予算額のみを基準として、下請負人との協議を行うことなく、下請負人による見積額を大幅に下回る額で下請契約を締結した場合などが建設業法上違反となるおそれがあるとしています。
 建設業法第19 条の3 は、自己の取引上の地位を不当に利用して、注文した建設工事を施工するために通常必要と認められる原価に満たない金額を請負代金の額とする請負契約を締結することを禁じています。これは、元請負人の有する下請負人の指名権や選択権を背景とする取引上の地位を利用して、下請負人を経済的に不当に圧迫するような取引を禁じているものです。
 なお、「通常必要と認められる原価」とは、工事を施工するために一般的に必要と認められる価格であり、具体的には下請負人の実行予算や資材業者等との取引状況等を勘案して判断されるべきものとしています。

予定価格っていうのは正にこれだと思う。「自らの予算額のみを基準として」予定価格を決めているケースは民間建築は昨今非常に多い。公共事業でも不調・入札不成立になる物件はこの類だろう。

「発注者の有する請負人の指名件や選択権を背景とする取引上の地位を利用して、請負人を経済的に不当に圧迫するような取引」を強要されるケースは多い。サービス工事であったり、後で金は見るからと言って先にやるだけやらせておいて、最後に予算がこれしかないとか、うちの査定はこの金額だとか、一方的に決められてしまい、泣いている業者は全国中にいるはずだ。

使用資材の指定は見積条件として提示
 次に下請工事の現場で使用する資材等に関してです。下請契約の締結後に、元請負人が下請負人に対して、下請工事に使用する資材または機械器具等を指定、あるいはその購入先を指定した結果、予定していた購入価格より高い価格で資材等を購入することになった場合などが、建設業法上違反となるおそれがあるとしています。
 建設業法第19 条の4は、「注文者が、自己の取引上の地位を不当に利用して、請負人に使用資材若しくは機械器具又はこれらの購入先を指定し、これらを請負人に購入させて、その利益を害する」といった不当な使用材料等の購入強制を禁じています。
 使用資材等について購入先を指定する場合は、元請負人は、あらかじめ見積条件として、それらの項目を提示する必要があるとしています。

これは、民間建築では設計事務所がよくやる常套手段。設計や積算を手伝わせた見返りであったり、接待等何かしらのバックがあったりすると、契約後こっそり「この業者を使ってくれ」といって来る。

やり直し工事の費用は責任の所在で判断
 元請負人は、下請工事の施工に関して下請負人と十分な協議を行い、明確な施工指示を行うなどして下請工事に手戻りが発生しないように努めることは言うまでもありませんが、やむを得ず、やり直し工事が発生することがあります。これを下請負人に依頼する場合は、やり直し工事が下請負人の責任による場合を除いて、工事の費用は元請負人が負担することが必要としています。
 やり直し工事の費用を一方的に下請負人に負担させたことで、下請代金の額が「通常必要と認められる原価」(前述)に満たない金額となる場合には、建設業法第19 条の3 に違反するおそれがあるとしています。
 下請負人の責任ではないやり直し工事を下請負人に依頼するときは、元請負人は速やかに当該工事に必要な費用について元請下請間で十分に協議したうえで、契約の変更を行う必要があります。
 なお、下請負人に責任がある場合とは、下請負人の施工が契約書面に明示された内容と異なる場合や下請負人の施工に瑕疵等がある場合です。

「明確な施工指示」ができる監督員が最近は少なくなってきている。その場で答えが出せなくて何日も指示待ちで工事がストップしてしまうケースは非常に多い。

自分で゜指示しておきながら、「やっぱり気に食わないからこうしろ」などと平気で言う監督員もいる。施工側の責任ではないものまでやり直しさせられたのではたまったものではない。その分の金を払ってくれるのならいくらでもやるが、そういう人に限ってそんなものは最初から見る気がない。

こうやって、元請・下請負関係を発注者と元請に置き換えて見ていくと、いかに発注者側は理不尽な事を強要しているかが分かるだろう。業者の立場だと明らかな法令違反だろう。

自分達がやってない事を、業者にはこうしろと言って来るのだから厚顔無恥も甚だしい。あきれたものである。

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コメント

「官尊民卑」を徹底的に打破するには、とにかく官僚よりバカな議員を減らし、優秀な議員を増やすことしかないと思いますが、制度的にそれをフォローするにも、法律・制度の立案や廃案にたずさわることの出来る有能な代議士を選ぶ必要があります。だけど現実には、参院も衆院も、官僚がセットした勉強会で、自ら進んで洗脳されるような議員が大半です。ということは、今のままでは残念ながら「お先真っ暗」です。ちなみに、勉強会は、以前なら、我々が出てって聞いてもよかったはずです。もちろん暇人しか行けませんが...

投稿: ARA | 2007年10月27日 (土) 17時15分

官僚のいいようにされてしまうような先生ばかりだと本当に「お先真っ暗」ですね。

投稿: 馬の骨 | 2007年10月29日 (月) 18時00分

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